多摩税務会計セミナー 企業の成長と繁栄を導く経営実務
【税務ミニガイド】
国税庁の令和5年分の国外財産調書の提出状況によると総提出件数(提出期限までに提出されたもの)は13,243件、その総財産額は6兆4,897億円でした。
財産の種類別総額では、有価証券が4兆905億円(63.0%)、預貯金が8,479億円(13.1%)などとなっています。

被相続人の連帯債務の取り扱い
質問
Xが、死亡し(相続財産は1億円)、令和7年1月に相続が発生しました。XはA社の社長でありA社の連帯保証人でありました。A社は令和5年3月に10億円の金融債務のみを残して倒産しました。解散登記しただけで清算は未了(銀行の意向で)です。
Xに対し、銀行からは連帯保証の請求が生前から来ていました。相続発生後Xの相続人が、銀行との話し合いで8千万円を保証弁済し、残りの9億2千万円は支払わなくても良いとのことで話がまとまりました。
質問ですが、8千万円の保証債務は相基通14の5に該当するとして債務控除できるでしょうか。また残りの保証債務(10億円から8千万円控除後の9億2千万円)の取り扱いはどうなるでしょうか。銀行は放棄する意向です。
回答
相続税法基本通達14の3において保証債務及び連帯債務の取り扱いを定めていますが、相続開始時点において確実な債務に該当するかどうかに関わらず、同項⑵の扱いによって債務控除する事になるものと考えます。
ご質問の場合、XはA社の社長として同社の債務を連帯保証していたもので、A社の社長の倒産により同社の連帯債務はXの負担となっていますので、法人の解散処理の有無に関わらず、被相続人Xの債務として相続税の課税価格の計算上、債務控除することが出来るものと考えます。
最初の質問は、相続税の申告期限までに確定している債務に該当しますので8千万円については債務控除の対象とすべきものと考えます。
次の質問に関しては、9億2千万円の保証債務については銀行が債権放棄するかどうか未定ですので連帯保証債務としては存在しますが未確定な保証債務ですので債務控除の対象にはならないものと考えます。

会社役員・使用人兼務役員・みなし役員
取締役は、株式会社を代表します。但し、代表取締役を定めている場合には、代表取締役のみが会社を代表します。
代表取締役には業務を執行する権限があり、また、会社の代表として、契約行為や裁判に関する行為をする権限があります。
会社法では、取締役(役員)と従業員は明確に区分されています。役員は、株主総会で選任され、会社に対する各種の責任をもちます。
でも、役員でありながら、部長、課長その他法人の使用人としての職務に従事する人もいます。こういう人を「使用人兼務役員」といいます。

部長、課長等ではなく、専務、常務等の呼称だったとしても、代表権・業務執行権のない者の場合は、呼称のみの名刺専務等と言われ、通達では、使用人兼務役員の対象から外れない、としています。
役員は株主総会で選ばれて委任契約を結び、雇用契約外の関係なので、本来は労災保険と雇用保険の適用がありません。
但し、使用人兼務役員の場合は、➀役員報酬が労働者としての賃金を上回っていないこと、➁代表権・業務執行権を持っていないこと、③就業規則が適用されていること等の条件付きで労災保険・雇用保険の適用を受けられる事になっています。
なお、法人税法上の役員はもう少し範囲が広く、会社法上の役員でないのに役員と同じく扱われる「みなし役員」という規定があります。会長や相談役等、実質的に法人の経営に従事していると認められる者と、使用人のうち次の➀➁③の全てを満たす者で、法人の経営に従事している者の事です。
➀単独で50%超の株主グループ、若しく第3順位までの持分合計が50%超となる株主グループに属している。
➁その使用人の所属株主グループの持分割合が10%超
③その使用人(配偶者&同族会社株主を含む)の持分割合が5%超
みなし役員とされた者については次の取扱いを受ける事になります。
➀給与は定期同額給与に該当
➁過大な給与は損金不算入
③事前確定届出給与以外の賞与は損金不算入
④原則として労災保険・雇用保険の適用対象外



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