多摩税務会計セミナー 企業の成長と繁栄を導く経営実務
【税務ミニガイド】
令和7年度税制改正により、中小企業者等の法人税の軽減税率の特例(15%)について、所得の金額が年10億円を超える事業年度について、所得の金額のうち年800万円以下の金額に適用される税率を17%に引き上げたうえで、その適用期限が2年延長されました。

貸家及び貸家建付地の評価
質問
土地、建物を父個人が所有しており、この建物等を同族会社へ貸し付けています。
この建物の1階が店舗で同族会社が使用し、二階に長男夫婦が居住し家賃は払っていません。
この土地、建物を長男に贈与したいのですが、この土地の評価は貸家建付地として評価することとになりますか。建物についても貸家評価でいいのでしょうか。
回答
本件事例は次のいずれかに該当するかによって、長男の受贈財産の価額を評価することになります。
1.建物の全部が賃貸されている場合
本件事例は建物所有者父がその建物の全部を同族会社に賃貸しているのであれば、その建物全部を貸家として評価し、その建物敷地を貸家建付地として評価します。
この場合、二階に居住している長男夫婦は同族会社から無償で二階部分を転借していることになりますので、長男夫婦の居住の事実は父の貸家の評価に影響を与えることがありません。
2.建物の一部分のみが賃貸されている場合
その建物の賃貸借契約により、同族会社に建物の一階部分のみを賃貸していることが確認できた場合は、その建物の一階部分のみを貸家として、二階部分を自用の家屋として区分して評価します。
その場合、一階の貸家部分の評価額は、固定資産税評価額を基に一階の床面積がその建物の延べ床面積に占める割合により計算した金額から借家権の割合(30%)を控除した金額で評価します。
二階部分の評価額は、自用の家屋として評価します。
一階の貸家部分に対応する敷地を貸家建付地として評価し二階の貸家部分に対応する敷地を自用地として評価します。

資産・負債調整勘定(のれん)の税務
非適格合併、非適格分割、非適格現物出資などの組織再編成行為や事業譲渡が行われた場合、移転を受けた負債の時価評価額と交付した組織再編対価(株式や金銭等の額)の合計額が移転を受けた資産の時価評価額を超えるときは、その超える部分の金額は、資産調整勘定(のれん)になります。
逆に、超えるのではなく、満たない場合には、その満たない部分の金額は、負債調整勘定(のれん)になります。
なお、資産の時価評価に於いて認識される営業権については、独立した資産として取引される慣習のあるものに限られます。資産調整勘定・負債調整勘定の金額は、5年間において、次の算式での金額を減額しなければなりません。<調整勘定×事業月数÷60>そして、その減額すべきこととなった金額は、各事業年度において損金の額、益金の額に算入されます。

この5年間の意味は、営業権の耐用年数の5年につじつまを合わせたものです。
なお、営業権の償却は無形固定資産の減価償却なので損金経理要件の対象となりますが、資産・負債調整勘定の損金・益金算入については、計算明細書の添付は要求されているものの、損金経理・益金経理要件は無く、強制適用です。
なお、個別資産が移転して「のれん」が生じることは通常考えられません。事業全体が一体として移転するからこそ、そこに超過収益力が内在していて、それが「のれん」になると考えられます。
それ故、被合併、分割、現物出資、事業譲渡の法人が、その直前において営む事業およびその事業に係る主要な資産・負債の概ね全部を組織再編承継法人、事業譲受法人に移転する場合に限り、「のれん」に係る特例の適用可との要件になっています。
「のれん」について今年税制改正がありました。
①移転を受ける資産および負債の価値が等しくなる場合等で無対価の時の調整勘定策定方法の適正化、
➁資産超過なのに資産評定せずに対価省略としている時の処理の方法の適正化、
が税制改正内容でした。
①については、資産調整勘定「のれん」の計上、➁については、資本金等の額の計上、を要するものとされました。



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