多摩税務会計セミナー 企業の成長と繁栄を導く経営実務
【税務ミニガイド】
令和7年度税制改正により、結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の1,000万円までの贈与税の非課税措置の適用期限を令和9年3月31日まで2年延長することとされました。
なお、受贈者は、結婚・子育て資金管理契約の締結日において18歳以上50歳未満の人に限られます。

死亡一時金等の課税関係
質問
遺族が請求して受け取る次の金額は、未収金として相続財産にしなければならないでしょうか。
1 健康保険、国民健康保険に定める請求
①傷病手当金
➁健康保険埋葬料、家族埋葬料、国民健康保険葬祭費
2 国民年金、厚生年金
①死亡一時金
回答
国民年金法第25条では、「租税其の他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として課することはできない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りではない。」旨の規定があります。
したがって、死亡した者の遺族が同法の規定に基づいて支給を受けた「死亡一時金」については相続税の課税の対象とはされません。
このことは、厚生年金保険法第41条第2項においても同様の規定がありますので、同法の規定に基づいて死亡した者の遺族に支給される老齢厚生年金以外の給付金については、相続税の対象とはされません。(相続税法基本通達3-46参照)
なお、健康保険法第62条では、「租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することはできない」旨の定めがあり、また、国民健康保険法第68条においても同様の規定があります。
したがって、これらの法により給付を受けるべき者と規定されている者が、これらの法の規定に基づいて支給を受けた金品については相続税の課税の対象とはされません。
ただし、これらの法の規定により給付を受けるべき者とされた者が死亡した後にその死亡した者に支給されるべきであった金品がその死亡した者の相続人等に支給された場合には本来の相続財産に該当します。

企業版ふるさと納税と 今年の税制改正
企業版ふるさと納税では、国認定の地方自治体事業に寄付を行うと、寄付金の最大約9割が寄付法人の税負担の軽減(損金算入と税額控除)になります。但し、個人版ふるさと納税の返礼品のような代償としての経済的な利益の供与は禁止です。
でも、内閣府の企業版ふるさと納税Q&Aによると、寄付企業やその関連企業が寄付活用事業など自治体が取り扱う事業の契約相手となることは、入札・契約上の公正なプロセスを経た上であれば、問題なしと解説しています。
それだけでなく、令和2年10月からは、寄付活用事業に従事する地方公共団体の職員として、寄付をした企業の従業員を採用する事を前提に、地方自治体に寄付をする、企業版ふるさと納税(人材派遣型)すら創設されています。
人材派遣型ふるさと納税の最大の特徴は、派遣した従業員の給与がふるさと納税寄附金から拠出される点です。

ところが、内閣府は、企業版ふるさと納税を利用した事業で、内閣府令が禁じる寄付に対する利益供与に当たると判断し、2024/11/22に福島県国見町への地域再生計画を取消しました。
その企業寄附は、グループ企業の計3社から計4.3億円、町は寄付を原資として新事業を企画し受託会社を公募、寄付者のグループ企業1社のみが応募し受託、開発製造はそのグループ内の他企業に委託となっていました。
この事案で、寄付金が寄付グループ内に還流する構図が問題視され、町議会は百条委員会を設置して調査し報告書を公表、町も第三者委員会を設置し、報告書をまとめていた、という経緯がありました。
今年の税制改正は、問題の所在を寄付活用事業の実施における不透明性だったとして、寄付受領団体の報告書の提出を義務付けることによる執行上のチェック機能の強化を盛り込みました。
認定取り消しとなると、企業版ふるさと納税による最大9割の税負担減少の公課が消失します。しかし、そういうリスクを恐れて企業が寄付を見送る傾向が強くなると、企業版ふるさと納税を企業から遠ざけることになります。予測可能性の確保も企業の要望でもあります。



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